任意後見人は誰に頼むのがいい?失敗しない選び方と注意点
将来、判断能力が低下したときに備えて「任意後見契約」を結ぶ方が増えています。しかし、多くの方が悩むのが「任意後見人を誰にお願いするべきか」という点です。家族に頼むべきか、専門職に依頼すべきか、それぞれにメリットと注意点があるため慎重に検討する必要があります。ここでは、任意後見人選びで後悔しないための考え方を分かりやすくまとめました。
まず、任意後見人は「信頼できること」が何より大切です。判断能力が低下した後の財産管理や契約手続き、施設入所の手配などを任せるため、本人の意思を尊重して丁寧に対応してくれる人を選ぶ必要があります。ご家族が任意後見人になる場合、日常的な様子をよく理解しており、気持ちの面でも寄り添いやすいという利点があります。一方で、家族間の不仲や相続トラブルに発展しやすいという側面もあるため、すべての家庭で適しているとは限りません。
次に、近年増えているのが行政書士などの専門職へ依頼するケースです。専門職を任意後見人に指定する最大の利点は「専門知識に基づき、法律にのっとった公平な管理ができる」点です。財産管理や役所の手続き、施設との契約など、後見に必要な実務を客観的に行えるため、ご家族間のトラブルを避けたい場合に特に向いています。また、契約内容や費用の透明性が確保しやすいため、ご本人にとっても安心感があります。
任意後見人を選ぶ際には、「うまくいかないケース」も知っておくと判断しやすくなります。たとえば、十分な話し合いをせずに家族を任意後見人にしたため、後から方針で衝突したり、費用や財産管理について誤解が生じたりすることがあります。また、専門職に依頼した場合でも、契約内容をご本人がきちんと理解していないと、後から「そこまでは任せたくなかった」というすれ違いが起こり得ます。いずれの場合も、事前の話し合いと契約内容の確認がとても重要です。
任意後見契約は「将来の安心」をつくる制度です。誰に任せるかは人生に関わる大きな決断ですが、後悔しない選び方はシンプルです。それは、「ご自身の考えや価値観を尊重してくれる人」「生活や財産を安心して任せられる人」「契約内容を誠実に守れる人」を選ぶことです。ご家族でも専門職でも、あなたにとって最も安心できる相手を選ぶことが何より大切です。
当事務所では、任意後見契約の内容のご説明から契約書作成、後見開始後の実務サポートまで、一貫してお手伝いしています。ご自身に合った後見人選びについても丁寧にアドバイスいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
